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2022/09/27 島澤 諭
政府・日本銀行は、1998年6月以来24年ぶりに為替市場介入を断行した。主要先進国がインフレ退治のために軒並み金利を引き上げる中、政府・日銀が頑なに拒否し戦後日本では稀有な対処に及んだ理由は、インフレ率2%達成よりは深いところにありそうだ。
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2022/09/13 島澤 諭
読者の皆さんのなかには、給料は増えたのに生活が豊かになった実感がしないのではないだろうか。直近では、確かに円安やインフレの影響は大きいながら、中長期的にみて、一番の原因は増す一方の社会保障負担にある。
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2022/09/07 島澤 諭
日本では消費税負担が問題にされることはよくあるが、なぜか社会保険料を問題にされることは少ない。しかし、実は家計における社会保険料負担は消費税の2倍以上となっており、本来問題にされるべきは現役世代に集中する社会保険料負担の方である。
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2022/08/19 島澤 諭
国会議員選挙の投票率が落ち込み、国会が「民意を反映していない」と不信が高まっている。そこでくじ引きで選ばれた代表が統治を担う「くじ引き民主主義(ロトクラシー)」が話題になっているが、少なくとも国政レベルへの導入にはデメリットが多い。
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2022/08/15 島澤 諭
新型コロナ感染拡大から2年以上が経過し、米国をはじめとした世界各国はウィズコロナへ舵を切りる中、日本はあいまいなまま、なし崩し的に政策変更が行われようとしている。日本の新型コロナ対策が社会や経済に与えた影響は大きいままだ。
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2022/07/12 島澤 諭
今回の参院選が岸田文雄内閣の中間評価だとすれば、与党は文句なく及第し、野党は落第したのに他ならない。原因はどこにあるだろうか。(1)安倍晋三元首相テロ事件、(2)消費税減税・廃止に論点を絞って考察したい。
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2022/07/01 島澤 諭
参議院選挙の公約に歳出拡大圧力につながる項目が並ぶ。財源については、赤字国債の発行や富裕層への課税強化、法人税増税が言及される中、「法人税減税の穴埋めのために消費税が使われている」という主張を耳にするが、法人税が抱える問題は別にある。
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2022/06/16 島澤 諭
参院選が6月22日公示、7月10日投開票に決まった。投票率の低さが課題となっているが、投票の棄権は有利な政策がなされないことで不利益を被る。この不利益を推計したところ、若い世代の方が便益を失う傾向にあり、20代が最も高い17.5万円だった。
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2022/06/09 島澤 諭
岸田文雄内閣として初となる「骨太の方針2022」が閣議決定された。岸田首相は「経済社会の構造変化を日本がリードしていく」と随分と気合いが入っているようだ。ただ、中身を見ると、随分と骨が細くなったと感じている。本質的な理由を検証したい。
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2022/06/01 島澤 諭
岸田文雄首相は、バイデン大統領との共同記者会見で、防衛費の増額を表明した。日本周辺の国際事情を勘案すれば避けては通れないものだが、財政は社会保障費の増大により赤字状態。安定財源をどう確保するのか、一般国民も真剣に耳を傾ける必要がある。
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「Invest in Kishida!」に思うこと
2022/05/10 島澤 諭岸田文雄首相はロンドンの金融街シティーでの講演で、「投資による資産所得倍増」を表明した。しかし、これまでの「金融所得課税強化」「株主資本主義からの脱却」などの言動を思い起こせば、合点がいかない読者も多いのではないだろうか。
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2022/04/19 島澤 諭
長らくデフレにあり、今でもデフレであると信じられている日本経済は、実は既にインフレ局面に転換している。国民全般がインフレ禍に苦しんでいるとして、政府は物価対策を検討しているが、基本的には物価対策は不要である。
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2022/04/12 島澤 諭
3月中旬に突如として浮上した年金受給者への5000円バラまきはいったん取り下げられた。あえて「いったん」と言ったのは、コロナ禍で露わになった「配りたがる政治と欲しがる国民」の存在があるからだ。なぜ政治は配りたがり、国民は欲しがるのだろうか?
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2022/04/06 島澤 諭
ロシアのウクライナ侵攻、米国の利上げなどにより7年ぶりの円安が進行している。こうした円の実力の急低下(円安)の進行に加えて、ガソリンや食料品の値上げが相まって、家計負担の増加による消費の低迷と景気の落ち込みが懸念されている。
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2022/03/18 島澤 諭
政府・与党は、新型コロナの影響による賃金低下が年金の支給額に及ぼすマイナス影響を軽減するため、年金受給者らに1回限定で1人あたり5000円を支給する。年金受給者の生活は、現役世代に比較して、コロナ禍においても安定していたはずなのになぜなの…
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2022/03/05 島澤 諭
ロシアがウクライナに対する軍事的侵略へ踏み切り、欧米諸国が経済制裁を断行している。ウクライナ危機による日本経済はいかなるものか、ロシアの経済的苦境から日本が学ぶ教訓は何か、検証した。
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過去のパンデミックの経験から今後の出生動向を考える
2022/02/21 島澤 諭新型コロナウイルス感染症拡大により、出生数が減少したとみられる。ところが、歴史上、今般のコロナ禍のようなパンデミックの後には、出生数が回復する傾向がみられてきている。
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2022/02/08 島澤 諭
2022年度予算の政府案は107.6兆円と、当初予算案としては10年連続で過去最大を記録している。コロナ禍や景気循環には関係なく、政府の規模が膨張しているということだ。どのようなメカニズムでこのようなことが起きるのだろうか。
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2022/01/14 島澤 諭
岸田文雄首相の掲げる「新しい資本主義」の理解が今一つ深まらない。総理のさまざまな場面での発言を踏まえると、経済運営で解体されつつある中間層の再生を目指すものであるらしい。ただし、そのための手段が再分配政策であるのには注意が必要だ。
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2021/12/20 島澤 諭
制御不能なインフレの昂進によって日本銀行による財政赤字の穴埋めが不可能になり、政府が大幅な歳出削減を余儀なくされるとした場合、私たちの生活がどうなるのかについて、少し詳しく見ていくこととしたい。
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